デジタル人材(非エンジニア)もプロセスマイニング【Celonis】

  • 2020年9月2日
  • 2022年5月22日
  • DIGITAL
 
プロセスマイニングって何?プロセスマイニング非エンジニアにも使えるの?プロセスマイニングデジタル人材に必要?プロセスマイニング・ツールのCelonisの無料デモ版はどうやって使うの

こんな疑問に答えていきます。

こんにちは!よんりん(Yonrin)です。
当記事を書いている私は、デジタル技術のコンサルタントです。

この記事を読めば、プロセスマイニング・ツールの概要と試し方について、よく分かります。

非エンジニアでも十分にできる内容ですので、是非試してみてくださいね。

もしまだお読みでなければ、「デジタル人材(非エンジニア)になるための学習ロードマップ【保存版】」の記事も合わせてどうぞ。

Celonis Snapでプロセスを可視化

プロセスマイニングではCelonisというツールがメジャーです。
他にもUiPathに統合されたProcessGoldなんかもあります。

今回はCelonisで無料利用できるCelonis Snapというデモ版を使ってみます。

無料デモ版の登録方法は、こちらの記事にまとめていますので、よろしければ、ご参考になれば幸いです。

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process mining

流れはこんな感じ。

  1. ログデータのインポート
  2. データモデルの作成
  3. 可視化されたプロセスのレビュー

順番に見ていきましょう。

ブログの作成プロセスをデジタルに可視化

この記事の例として、ブログの記事を書く一連の作業を可視化して、時間と共に終えるようにしてみます。

大まかには記事のアイディアを練って、記事を書いて、記事のアクセス解析をして、記事を修正改善、というような流れです。

①ログデータのインポート

 ブログ作成プロセスのログ

こんなサンプルデータを用意してみました。
ブログ作成の一連のプロセスの記録ですね。

ポイントは、以下の3つの項目を必須で含めるということです。

 トランザクションのID
 アクティビティ
 タイムスタンプ

トランザクションのIDは、ブログで例えるとブログの記事IDのようなものです。

請求書のプロセスであれば、請求書IDのように、そのプロセスを実行する際に最初から最後まで一貫して使われるIDのことですね。

アクティビティは、プロセスを構成する具体的な作業です。
タイムスタンプは、アクティビティの完了日時にすると解りやすいと思います。

本来、こういうデータがワークフローシステムとかから出てくるイメージなのですが、今回は私の愛を込めて手作りです。

②データモデルの作成

まずは、Celonis Snapを準備しましょう。

まだ登録して使える状態になっていない人は、こちらの記事を参考に登録してくださいね。1~2分でできます。

 ログファイルのアップロード

初期画面から「New Analysis」のボタンを押して進みます。

次に、「Upload CSV/XLSX File」を選択します。

「Drop file here or Select File」の部分に、ログファイルをドラッグ&ドロップします。(もしくはSelect Fileボタンを押してログファイルを選択)

読み込まれたデータのイメージが表示されます。
以下の点を確認しておきましょう。

 データの型(この例ではBLOG IDの型をINTEGER->STRINGに変えました)
 TIMESTAMPのフォーマット
 一番最初の行がヘッダーかどうか

問題なければ「Next」を押して次に進みます。

 データのマッピング

取り込んだデータのマッピングをします。
どの列がどの項目なのかをツールに教える作業ですね。

必須のマッピング項目は3つだけです。
Orderは同じTimestampを持つActivityがある場合の順序づけです。

 Case ID(必須)
 Activity(必須)
 Timestamp(必須)
 Order(任意)

マッピングできたら「Next」で次に進みます。

データモデルの作成準備が始まり、100%で画面が切り替わります。

複数のデータ・テーブルを組み合わせて、より複雑なデータモデルを作ることもできるのですが、今回は一番シンプルにひとつのテーブルで進めます。

③可視化されたプロセスのレビュー

切り替わった画面で「Analyze your sample eventlog」を押します。

すると、ログによるアクティビティの流れ、プロセスの全体像が可視化されました。
全30件のブログ記事作成のプロセスのログを読み込んだ結果です。

初期画面では、一番スタンダードな(件数の多い)プロセスのパターンが表示されていますが、他のパターンも表示させてみます。

画面下部の「+」ボタンを押してみましょう。
以下のことが分かるようになりました。

記事のアクセス分析をした結果、
 記事をリライトした件数:18件
 記事をリライトしなかった件数12件

さらにもう一度「+」ボタンを押して、カバレッジを100%まで上げると、以下のようになります。

本来、記事テーマを選定してタイトルを決定してから本文作成をすべきところ、いきなり記事本文の作成から進めているものが4件あることが分かります

イレギュラーなプロセスの進め方もこうやって可視化できるので、便利ですね。

プロセスマイニングは非エンジニアにも使いやすい

ここまでのプロセスを振り返ってみると、基本的にはマウスの操作だけで、プロセスの可視化が出来ていることがわかると思います。

非エンジニアであっても、プログラミングをしたり、データ操作をせずに、データ可視化の一連の流れを直感的に行えます。

実務で活用していくためには、もちろん詳細な知識が必要になりますが、大まかな技術理解と、導入可能性の検証ぐらいに使う分には、非エンジニアでも十分に対応できるようになっています。

まとめ

今回はブログ記事作成のログを例に、非エンジニアにも使えるCelonisというツールでプロセスマイニングを試しました。

ポイントはこんな感じです。

 プロセスマイニングはアクティビティ・ログを可視化できる
 ログには、Case ID、Activity、Timestampの3項目が必須
 ログの可視化で、イレギュラーなプロセスの実行が発見できる

プロセス・マイニングを応用させると、更に高度な分析も可能です。
たとえば今回の例でしたら、ブログの記事テーマごとの傾向分析などですね。

おもしろいので、色々と試してみてください。

それから、プロセスは分析するだけではなく、その先に改善が必要ですよね。
こちらの本に、プロセス設計の考え方が非常に分かり易く書かれています。

はじめよう! プロセス設計 ~要件定義のその前に
羽生 章洋 (著)

プロセスマイニングに興味があるなら、読んで損はない1冊です。

以上です。