デジタル人材(非エンジニア)になるための学習ロードマップ【保存版】

  • 2020年11月7日
  • 2022年9月17日
  • DIGITAL
 
デジタル・トランスフォーメーション(DX)が進む中、非エンジニアでもデジタル・トランスフォーメーション(DX)に貢献して市場価値を高められますか?
どうすれば「非エンジニアデジタル人材」になれますか?

こんな疑問に答えていきます。

毎日のように「デジタル」というワードを聞きます。

そんな中、スキルアップをして、組織や社会に貢献しようとしている非エンジニアのあなたは、本当に素晴らしいと思います。

非エンジニアの方は、今の世の中の流れの中で、おそらくこんな疑問をお持ちなのではないでしょうか。

非エンジニアでもデジタルの時代に活躍する方法はあるのか?
非エンジニアがデジタルの時代にスキルアップするにはどういう学習ステップを踏めばよいのか?
非エンジニアがデジタル人材になるには、いままでの経験や知識を無駄にすることにならないのか?

非エンジニアが「デジタル」と聞くと、どうしてもITは自分に関係ない、自分がデジタル人材になることなどない、と考えてしまいがちですよね。

しかし、それは少し違います。

たとえ非エンジニアであっても、デジタル人材となることは十分に可能です。

自らの人材価値を高めて、昇進や転職に強くなることもできます。

むしろ、非エンジニアのデジタル人材が育たなければ、これからの企業は生き残るのが厳しいのが事実です。

これからは、デジタルの技術のみだけではなく、それを取り巻く人の在り方が変わってくるからです。

デジタル技術だけに目を奪われていると、大きな流れを見失ってしまいます。

少しアンテナの感度が高い人たちは、こんなことを考え始めています。

 これからのデジタル技術は非エンジニアとエンジニアの境界を曖昧にする
 エンジニアが持つべき視点も少し角度が変わる
 非エンジニアのデジタル・リテラシーが企業にとって非常に重要になる

世の中のデジタルの流れに対応すること自体は難しくないので、安心してくださいね。

要は、流れに気づいて、正しい方向で準備ができるかどうか、という問題です。

この記事では、以下のようなことをお伝えしていきます。

 デジタル人材とは?
 非エンジニアとしてのデジタル人材とは?
 「非エンジニアのデジタル人材」になる学習ロードマップ

デジタル人材とは?

デジタル・トランスフォーメーション(DX)を支えるデジタル人材とは?

まずはデジタル人材の定義を考えていきます。

プログラミングをするエンジニアのことを指して「デジタル人材」というイメージがあるかも知れません。

しかし、デジタル・トランスフォーメーション(DX)はエンジニアだけで成り立つものではありません。

エンジニア以外のデジタル人材とは何か、も含めて詳しく見ていきます。

デジタル人材の3つのレイヤ

デジタル・トランスフォーメーション(DX)を支えるデジタル人材は、役割ごとに3つのレイヤーに分かれます。

つまり、デジタル人材とは、この3つのレイヤーのいずれかに属する人のことを指しています。

必ずしもエンジニアだけのことを指しているわけではないということ。

ここをまずは押さえておいてください。

 開発者としてのデジタル人材
 導入者としてのデジタル人材
 利用者としてのデジタル人材

デジタル人材の全体像を図にすると、こんな感じですね。

開発者に近づくほど高いITリテラシーが求められます。

デジタル人材とは?(クリックして拡大)
digital jinzai

開発者としてのデジタル人材

開発者としてのデジタル人材は、高度な技術を使いこなすエンジニア人材です。

デジタルの技術を駆使して、新しいサービスやプロダクトを創り出します。

スタートアップ企業や、大企業のR&D、SIerで新プロダクトや新サービスの開発をするチームに所属するような人材です。

汎用的な技術やサービスの開発を行い、幅広いユースケースを想定して企業のデジタル・トランスフォーメーション(DX)を支えます。

導入者としてのデジタル人材

導入者としてのデジタル人材は、開発者が開発したプロダクトを特定の企業に合うようにカスタマイズして利用できるようにします。

たとえば、RPA(Robotic Process Automation)ツールの導入や、PowerBIやTableauなどのデータ分析ツールによるレポートの作成などです。

SIerと呼ばれるシステムエンジニア(SE)から成る企業や、大企業のIT部門に所属する人材がここに該当します。

利用者としてのデジタル人材

デジタルのプロダクトやサービスの利用者も、デジタル・トランスフォーメーション(DX)においては、デジタル人材です。

導入者が新しいデジタルの技術を取り入れる際のプロジェクトに参加してビジネスの要件を取りまとめたり、デジタルのプロダクトやサービスを実際の業務で使いこなすような人材です。

RPAを動かして業務の自動実行に役立てることや、PowerBIで作成されたレポートの情報を元にビジネスのアクションを計画したりすることも含まれます。

企業ごとのデジタル人材構成イメージ

デジタル人材を3つのレイヤーに分けたとき、企業ごとのデジタル人材構成のイメージも図に取り入れました。

大体どの会社も利用者レイヤーの従業員が最も多く、導入者はそれほど多くないのが一般的です。

逆にプロダクトを作っているスタートアップは、人数が限られていています。

そのため、プロダクトやサービスをマーケットに投入すると、しばらくは企業への導入を外部のコンサルタントやSIerなどに任せることが多くなります。

エンジニアはプロダクトやサービスの改善活動がメインになるからですね。

どうでしょう。

全体感が少しでもイメージできていれば幸いです。

では、次に「非エンジニアとしてのデジタル人材」を詳しく見ていきます。

非エンジニアとしてのデジタル人材とは?

デジタル人材について、3つの分類(開発者、導入者、利用者)を説明しました。

その中で、利用者としてのデジタル人材は、おそらくほとんどが非エンジニアです。

そして、企業の中においては人数比が最も多いはず。

そして、この非エンジニアとしてのデジタル人材が、実はデジタル・トランスフォーメーション(DX)の鍵を握っています。

なぜなら、デジタル・トランスフォーメーション(DX)の成否は、デジタルの導入がうまくいったかどうかではなく、デジタルの導入によって、非エンジニアのビジネス部門の業務が変わったかどうかで決まるからです。

言わば、デジタル・トランスフォーメーション(DX)の最終結果を担っているのが、利用者としてのデジタル人材なのです。

この利用者としてのデジタル人材のITリテラシーを高めることが、企業にとって最重要課題。そして、ITリテラシーを高められた利用者としてのデジタル人材の価値は、相当高くなります。

さらに、近年のデジタルのプロダクトは、高度な技術の知識がなくても、導入がしやすくなってきています

すなわち、利用者と導入者の境界線が曖昧になるようなプロダクトが増えてきているのです。

利用者は導入者としてのデジタル人材に近づくようにスキルアップするべきです。

もっと言えば、導入者である組織としてのSIerは、開発者の領域でイノベーションに寄せたポジションを取らなければ、生き残りが厳しくなってくると思います。

「非エンジニアのデジタル人材」になる学習ロードマップ

いよいよ「非エンジニアのデジタル人材」になるための学習ロードマップです。

限りなく「導入者としてのデジタル人材」に近い「利用者としてのデジタル人材」を目指すものです。

まずは、ロードマップの全体像です。

段階を追って学習していけば、確実にデジタル人材になれます。

「非エンジニアのデジタル人材」になるための学習ロードマップ(クリックして拡大)digital learning roadmap

こうした知識インプット系の学習はオンラインで実施すると効率的です。

ロードマップとは直接関係ありませんが、「【デジタル人材】非エンジニアのスキルアップはオンライン学習を活用すべき理由」に記事としてまとめていますので、よろしければどうぞ。

マインドセットと基礎知識

まずはマインドセットとしてこちらの「【デジタル人材】非エンジニア向けのDXプロジェクト準備【転職にも有利】」の記事から始めてください。

非エンジニアのデジタル人材が、いかに重要でどのように活躍できるかが理解できます。

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続きまして、こちらの基礎知識に関する記事3本です。

基礎知識をひと通りに身につけた段階で、資格を取っておくのもおすすめです。

モチベーションがあがりますし、学習を見える形で資産として残したいですよね。

デジタルプロダクト利用

基礎知識が分かれば、とにかくデジタルプロダクトを使ってみることです。

普段はe-mailとExcelくらいしかパソコンを使わない、という非エンジニアのあなたも安心してくださいね。

デジタルプロダクトも、非エンジニアでも扱えるようにと、これまで大分とユーザーに歩み寄ってきています。

そういうことも実感しながら手を動かして学習されることをお勧めします。

実践編の記事4本です。

特にデータ分析は「【デジタル人材】非エンジニアが勉強すべきデジタル技術【厳選5選】」でも触れましたが、デジタル・トランスフォーメーション(DX)の中核となるデジタル技術です。

初心者からでも学習できるオンラインコースなどで統計学を学習しておけば、一気に活用可能性が広がる分野。

どんどん掘り下げて、自分の市場価値を高めましょう。

あとは自分の身近なものを自動化してみるのも、おすすめです。

自分の普段の作業の自動化など、目的を持って学習すると、格段に学習スピードが上がります。

私も「ブログ記事のキーワード出現率をRPAとPowerBIで自動確認」でこのブログの分析をしたりしています。

更に、Pythonというプログラミングを初心者から学習して、ZUNISULというWebサービスを作りました。

その過程(約3ヵ月の集大成)については、以下の記事をどうぞ。

プロジェクト管理

技術の外観と動かし方がなんとなく分かれば、より大きなものをチームで作っていくための手法を学びましょう。

IT(エンジニア)とビジネス(非エンジニア)がどのように手を取り合っていくのか。

経験が一番の学習になるのですが、それでも事前にプロジェクトの大枠や共通用語を知っておくことはプロジェクトチーム間のコミュニケーションに役立ちます。

記事2本です。

まずはこちらでプロジェクトの基本の型を理解しておきましょう。

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そして、こちらが近年のデジタル・トランスフォーメーション(DX)で用いられているアジャイルという手法です。

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非エンジニアとしてデジタルの分野でキャリアを積んでいこうと思うと、プロジェクト管理スキルは外せません。

更にこの分野で客観的な市場価値を高めておきたければ、PMPなどの認定資格を取得しておくと企業やプロジェクトからの信頼度が一気に高まります。

こちらはロードマップからは外していますが、参考までに「【デジタル人材】非エンジニアの統計学でデータ分析【Udemy徹底比較】」もどうぞ。

プログラミング

非エンジニアがプログラミングを学習することには、賛否もあります。

よく言われるのは、非エンジニアがプロジェクトチームにおいてプログラマーとしてソースコードを書くことを目指すのは厳しいということです。

ただでさえ難解なプログラミングを技術一本でやってきたエンジニアと対等に、あるいはエンジニアの助けになるというレベルにでもできるかというと、非エンジニアが片手間でやるには敷居が高いのが現実。

ただ、非エンジニアがエンジニアに歩み寄り、コミュニケーションを円滑にするという指向であれば、大いに意味ありです。

記事5本を紹介しておきます。

まずは、こちら。

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Pythonというプログラミング言語は、最近では主に機械学習などに用いられていて、比較的初学者にも学びやすいと言われています。

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機械学習に関しては、まずは途中で挫折しにくい段階的な勉強法を確認してから、オンライン学習に進みましょう。

成功するプロジェクトは、必ずビジネス(非エンジニア)とIT(エンジニア)のお互いへの敬意があります。

プログラミングの片鱗が見えれば、非エンジニアからエンジニアへの敬意の念も生まれるはず。

少し知識が身についても、決して技術に対して傲慢になってはいけません。

まとめ

非エンジニアがデジタル人材になるためのロードマップについてまとめました。

デジタル・トランスフォーメーション(DX)を実施している企業において、大多数を占める非エンジニアのデジタル「利用者」。

この非エンジニアのデジタル利用者のITリテラシーが高まり、導入者との橋渡しとしてプロジェクトに貢献すれば、その非エンジニアの市場価値はデジタル人材として劇的に高まります。

そして、そうした利用者が増えれば増えるほど、企業のデジタル・トランスフォーメーション(DX)の成功可能性が高まるのです。

今は個人の力を高めて市場価値を一気に上げる大きなチャンス。
そして、そのモチベーションが企業のデジタル・トランスフォーメーション(DX)を活性化します。

以上です。