プロジェクト管理の基本手法とおすすめの本【現役コンサルタント5選】

 
プロジェクト管理を任されたけれど、何をすればいいですか?
プロジェクト管理の手法を勉強したいけど、おすすめの本はありますか?
 
 

こんな疑問に答えていきたいと思います。

こんにちは!よんりん(Yonrin)です。
当記事を書いている私は、デジタル技術のコンサルタントです。

プロジェクトにもいろいろ種類はあって、管理の手法もさまざまです。

管理の手法のみではなく、プロジェクトのあり方も変わってきていますね。
けれど、プロジェクト管理の原理原則は同じです。

プロジェクト管理をすることになったけど、概要と要点を押さえて事前準備しておきたいと考えておられる方、素晴らしいですね。

プロジェクト管理には、準備が大事です。
プロジェクトのクオリティは準備で8割決まります。

この記事を読めば、プロジェクト管理の基本についてわかります。
プロジェクト管理の目的、要素を押さえておいてくださいね。

プロジェクトの成功をお祈りしています!

初心者にもわかるプロジェクト管理の目的

プロジェクト管理は、なぜ必要なのでしょう?

プロジェクトの目的を達成するため

ですね。
当然すぎて、すみません。

けれど、管理自体が目的ではないことをいつも思い出す必要があります

複雑なチャートや計算式を使っているうちに、つい見失うことも珍しくないです。
気づけば、チャートや計算式の正確さを追求する議論に陥ったり。

巷には管理手法についての本やネット情報があふれているので、そうした情報に没頭していくうちに、管理手法そのものが目的化してしまうことも。

結構経験のある人であっても、お互いに注意しておかないと、簡単に見失ってしまうので気をつけましょう。

話を戻しますね。

プロジェクト管理は、プロジェクトの目的を達成するために行います。
さらに、ビジネスである以上、「ただし」、という条件がつきます。

ただし、

決められた予算と、決められたリソースで

という条件。

予算やリソースを無限にプロジェクトに投入できることはありません。

プロジェクトには成果物がありますが、

成果物を出すことだけがプロジェクトの目的ではない

のです。

決められた予算とリソースの範囲内で成果物を出す。
これがプロジェクトの目的であり、プロジェクト管理はこの目的を達成するためにあるのです。

初心者にもわかるプロジェクト管理の要素

では、プロジェクト管理の目的を達成するために考えるべきことは何でしょう?
大きく分けると、5つあります。

どんな本を読んでも、大体この5つは押さえられているはず。

基本的にプロジェクト管理の作業要素は以下の通り。

  1. スケジュール管理
  2. リソース管理
  3. コスト管理
  4. リスク管理
  5. 関係者への報告

ひとつずつ説明していきますね。

スケジュール管理

まずは、スケジュール管理です。
作業としては、ふたつあります。

  • 計画
  • モニタリング

計画

計画は、いつまでに、何をすべきか、というスケジュールを作ることですね。
プロジェクトの成果物がいつまでに必要かというゴールから逆算します

スケジュールを逆算したら、「マイルストーン」を考えましょう。
マイルストーンは、プロジェクトの重要な節目です。

プロジェクトはいくつかの作業フェーズの塊です。
システム開発であれば、設計、実装(プログラミング)、テスト、本番移行、みたいな大きな作業のくくりですね。

この作業フェーズごとに、いつまでに終わるのか、何を中間成果物として出すのか、ということを計画しておきます。

モニタリング

そして、実際にプロジェクトが始まったら、モニタリングします。
実際の作業進捗がどのくらい計画に沿っているか。

遅延があれば、どのように取り戻すかを考えて実行しなければなりません
遅延を取り戻すには、作業量を増やす(人数 or 時間)、作業方法を変える、などの検討が必要です。

リソース管理

続いて、リソース管理です。
ここで言うリソースは、プロジェクト人員の管理、としておきましょう。

ここもスケジュール管理と同じく、計画とモニタリングが必要です。

計画

どういった作業にどれだけの人を割り当てるかを見積もっておきます。
スキルや役割を明確にして計画します。

モニタリング

リソースも、プロジェクト実行中には調整が必要になる場面が出てきます。
たとえば、

  • 遅延のリカバリーのための追加投入
  • スケジュール変更のための作業時期の組み換え
  • 不慮のスキルミスマッチによる人員入れ替え
  • 予定外作業のための応援要員追加

などなど。
様々ですね。

コスト管理

コストは、プロジェクトにかかる費用です。

プロジェクトの遅延でベンダーへの追加費用が発生すれば、費用の融通など。

グローバルのプロジェクトなど移動を伴う場合は、旅費交通費もきちんと把握が必要です。

リスク管理

プロジェクト実行中に出てくる問題は、予想外の事ばかりではありません。
少し考えていれば、最初から思いついて防げていたものが大半です。

どんなリスクがあるか、想定した事態が発生したときの対処方法。
この辺りは、できる限り洗い出しておくべきです。

それでも、必ず予想を上回って何かが起きるのがプロジェクトです。

関係者への報告と情報共有

ここまで書いたようなことを関係者に報告したり情報共有します。

会議の種類はプロジェクトの規模にもよりますね。
大きなプロジェクトだと、こうしたミーティングも増えるでしょう。

サブチーム間の意識合わせ、プロジェクトオーナーに対する進捗報告など。
関係者に必要な情報を必要なだけ届けるのもプロジェクト管理の大事な仕事です

効率よく、精確なコミュニケーションをしましょう。

プロジェクト管理におすすめの必読本5選

全体感は、つかめたのではないかと思います。

プロジェクト管理は奥深い業務です。
理屈通りにいかないところもまた、醍醐味です。

人間関係や、社内外の政治的問題など。
正しい理屈を曲げざるを得ない場面もあります

けれど、ルールを曲げるにしても、ルールを知らなければ、致命傷を防げません
なるべくダメージの少ない方法で、バランスを取る。

そうしたバランス管理こそが、プロジェクト管理の肝です。

ですので、基礎理論はしっかり学んでおいてください。

では、現役コンサルタント目線で選んだ5冊の本の紹介です。

① 担当になったら知っておきたい「プロジェクトマネジメント」実践講座

担当になったら知っておきたい「プロジェクトマネジメント」実践講座
伊藤 大輔 (著)

すでにプロジェクトが始まりつつあって、時間がない場合は、要点を押さえるのにもってこいの本です。

アカデミックな内容ではないですが、網羅的で全体感が理解できます。

巷にはプロジェクト管理と言っておきながら、単に「タスク管理」の手法に終始している本もありますが、この本はそういう不安もありません。

初心者でも読めるように平易な言葉で書かれていますが、プロジェクト管理の経験者も十分に読み返す価値あり。

② 図解入門 よくわかる 最新 PMBOK第6版の基本

図解入門よくわかる 最新PMBOK第6版の基本
鈴木安而 (著)

PMBOK(ピンボック)= Project Management Body of Knowledge (プロジェクトマネジメント知識体系ガイド)の解説本です。

アカデミックに知識をまとめておきたい場合は、こちら。

書籍でも、ウェブサイトでも、概要をかみ砕いたものをインプットしてからこちらに移ってくださいね。(そうしないと挫折します笑)

③ 外資系コンサルが教えるプロジェクトマネジメント

外資系コンサルが教えるプロジェクトマネジメント
山口 周 (著)

同業者ですが良書だと思います。
心構えの話です。

少なくとも上述の①は、これより手前に読むと分かりやすいと思います。

不測の事態は必ず起こります。

計画時は成功に目が向きがちです。
不吉なことは議論したくはないですよね。

けれど、いかに失敗のシミュレーションをたくさんできているかで、プロジェクトの成否は大きく左右されます。

④ 失敗学実践講義 文庫増補版

失敗学実践講義 文庫増補版 (講談社文庫)
畑村 洋太郎 (著)

失敗学のすすめ」という本があり、そちらと迷いました。
読みやすさでこちら。

プロジェクト管理系の本は、「成功するプロジェクト管理」、「失敗しないプロジェクト管理」、のような本が多く溢れています。

正直、成功体験の本にはあまり価値はないと思っています。
失敗事例をたくさん探すことです。

残念ながらプロジェクト管理の失敗事例の書籍はあまり良いものが見つからず、この本はプロジェクト管理についてではありません。

しかし、失敗からの学び方について事例を交えて話されている数少ない本だと思います。

上手に失敗できるようになるために、必読の5選に入れさせていただきました。

予定通り進まないプロジェクトの進め方

予定通り進まないプロジェクトの進め方
前田考歩 (著), 後藤洋平 (著)

自分の中にプロジェクト管理の型ができたな、と思ったら読む本です。

従来のプロジェクト管理に疑問を投げかけつつ、独自の手法を提示します。
かなり実用的で、参考になる本です。

この本に沿ってプロジェクトを進めるもよし。
同じような発想で自分の手法を試してみるもよし。

ただ、1冊目に読む本ではないので、順番としてはこのあたりで。

以上です。