こんな疑問に答えていきます。
こんにちは!よんりん(Yonrin)です。
当記事を書いている私は、デジタル技術のコンサルタントです。
海外移住している私自身の経験から、システムエンジニアとして海外で働くことについて、お話しますね。
海外の会社に就職して働くことは、とても大変です。
海外で働くチャンスをモノにできた、というのはスタート地点に過ぎません。
とは言っても、大変さを差し引いても、海外で働くことのメリットは計り知れないので、どういう大変さがあるのかを知った上で準備を進めるといいですよ。
この記事を読めば、システムエンジニアが海外で働く大変さについて、よく分かります。
システムエンジニアが海外で経験する大変なこと
実際に私が苦労したことなどを元に考えてみます。
英語の壁
もしあなたが、帰国子女で英語の心配がない、ということでなければ、英語は確実にクリアすべき大きな壁です。
私が海外移住したときのTOEICは900点を超えていました。
それでも、移住してから、かなり勉強していました。
正直、ここは日系企業の海外支社で、ローカルの社員から日本人だという認識をされながら働くのか、ローカル企業でローカル社員として働くのかで大分違います。
日系企業の海外支社で働く場合だと、ローカルの社員も日本人に対する理解があるので、英語のスピードや単語の易しさも調整してくれます。
ローカル企業で働く場合は、そうした特別扱いはないので(外資系企業はもともと色々な国の人を雇うので、日本人はそのうちのひとりに過ぎない)、英語のハードルは上がります。
職場での英語
業務の英語は意外と大丈夫職場での英語ですが、システムエンジニアであれば普通に業務を進める分には、基本的には問題ありません。
テクノロジー用語はもともと英語をそのまま使うことが多いので、システムエンジニアであれば、たとえローカル企業に就職しても問題ないでしょう。
会議は結構つらいPCに向かって、同僚や上司とちょっとした業務上の会話をする程度であれば全く問題ないのですが、これが会議になってくると、たとえシステムエンジニアでも結構つらいです。
要件定義で、日本語で聞いても良く分からないビジネス用語を聞いたり、スコープがきわどいところで半分交渉じみた会話がある場合は苦労します。
私も移住当初、よく会議はこっそりスマホで録音して後で何度も聞き直していました。
30分の会議も、理解できるまで録音を聞き直して、まとめるまで2時間。
会議が長引くと2時間も3時間も英語を聞き続けなければなりません。
私も当時は、それだけで一日ぐったりしていました。
この辺りは、経験で乗り切るしかない部分です。
システムエンジニア本来の業務ではないところに時間が取られます。
人事制度や研修、税金のことなど、通常業務以外の部分も、なかなか大変です。
時間さえかければ問題ないのですが、何か担当部署に確認したいことがあっても、うまく伝わらず答えを得るまでに時間がかかることも。
これも日々の英語学習次第で慣れることができますし、スムーズに物事を進めるコツもわかってくるはず。
ソーシャル・テクニックも意外と重要海外は、日本のように飲みにケーションはあまりないと思っていませんか?
実は、そんなことはありません。
欧米企業は、業務外の交流スキル(ほぼ業務の一部とみなされるし人事評価にもひびくこともある)がとても大事です。
システムエンジニアしかり。
飲み会のような感じで立食パーティをよくやります。
立食パーティで、社内でも縦横のネットワークを作り、必要な時に助け合える関係を作っておく、ということが求められます。
こうした場での英語が、かなりきついです。
ローカルの人同士が早口で話し出すと、なかなかついていけず、話題を振られても苦笑い、という苦痛でしかない時間が続きます。
日頃のニュースや、更には社内ゴシップなどの情報も集めつつ、話題についていけるよう努力あるのみですね。
職場の外での英語
基本的に海外旅行したことがあれば、何とか乗り切れるものですが、慣れない職場に通いつつ、となるとなかなか海外で生活を軌道にのせるのも大変です。
生活が軌道に乗るまで移住したら、働くこと以外にもやるべきことは盛りだくさんです。
住居の賃貸契約
住民登録
水道・ガス・電気・インターネットの契約
銀行口座開設
家の設備の修理やトラブル対応
海外なので、大都市であっても、なかなか一筋縄ではいかないことが多いです。
対応が悪ければ、クレームを言わざるを得ないことも。
期せずして、英語での議論する力が鍛えられますよ。
システムエンジニアのバックグラウンドが活きてがスムーズにいくのは、唯一インターネットの契約ぐらいでしょうか。
文化の壁
文化はなかなか厄介です。
海外での生活にどっぷりつかって初めてじわじわと見えてくるものだからです。
目の前の人と自分との違いだけを考えていると見誤ってしまいます。
海外で長く働くほど、見えてくるもののひとつです。
仕事の進め方
仕事が順調に進んでいるときは特に意識することはありません。
システムエンジニアとしての仕事の進め方はどの国も概ね似通っています。
ただプロジェクトが難局に陥ったときなどに、対処の仕方に戸惑うことがあります。
責任と権利の感覚あくまで私の感覚ですが、責任を果たしたかどうかは割と自分の判断に拠ります。
日本人はどうしても、お客様判断ですよね。
特に日本でシステムエンジニアとして活躍されているあなたなら、その感覚は痛いほどわかるはず。
目の前でお客様が納品物に納得していなくても、自分の責任を果たしたと思えば、これ以上はできないとはっきり言います。
最大限の敬意を払って理解を求める、という感じです。
そして休暇の取り方は徹底しています。
どんなに大事な会議やプロジェクトカットオーバーの作業があっても、休暇を調整する、ということはまずやりません。
お客様も当然の権利として、それを受け入れています。
部下の休暇を管理するような立場の場合は、注意が必要です。
日本のように仕事最優先の価値観で仕事を進めると、同僚からはもちろん、お客様からの信用も失いかねなくなってしまいます。
評価のされ方
日本人のように、いろんなことを器用にこなすタイプの人は、評価に戸惑うと思います。
基本的にその人の守備範囲への期待値は、きちんとジョブ・ディスクリプションに書いているからです。
アプリケーション開発者なのに、インフラの構築もできます、みたいな働き方をしても、思ったような評価にならないはずです。
どうしたって、インフラ構築を専門で突き詰めている人には勝てないからです。
であれば、インフラは全くわからないが、アプリケーション開発において、圧倒的にできます、みたいな方が、評価は高いです。
日本的なジェネラリストっぽい働き方をしてしまうと、評価されません。
特にシステムエンジニアの場合は専門性が評価されるからです。
もう少し具体的なタイトルで仕事をしているからです。
技術力の壁
そして最後に技術力の壁について。
実は、ここはそれほど問題ではありません。
少なくとも自分がプレイヤーの場合は、そこまで苦労しないと思います。
実はSEの海外就職に必要とされる技術力はそこまで大したことはありません。
ただし、管理職になったとき、部下としての現地エンジニアは手強いです。
若かりし日の自分と同じレベルのエンジニアが部下になるとは思わない方が良い、という複雑な日が訪れることも楽しみにしていてくださいね。
まとめ
システムエンジニアが海外で働くことの大変さ、についてまとめました。
いざ現地で働くとなると、大変なことはあると思いますが、どうにもならないことはありません。
海外で働くうちに、日本でシステムエンジニアをやることの方が大変、と思えることも沢山出てくるはずです。
それに予期せぬトラブルや困難を何とかクリアすることも、海外で働くことの醍醐味です。それぐらいに思っていていいと思います。
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何よりも、システムエンジニアが海外で働く方法はいくらでもあります。
最後に一冊だけご紹介。
この方は日系企業からの海外赴任なのですが、メンタリティやものの見方、エネルギーにとても勇気づけられました。
私は移住後に読みました。
苦労話は、生き生きと描かれていて、読み物としてもおもしろいです。
日本人が海外で最高の仕事をする方法――スキルよりも大切なもの |
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この記事で、海外で働くことの不安が、少しでも和らいでいたら幸いです。
※ちなみに転職エージェントではAXIS(アクシス)が外資系ITや海外勤務に特化しています。海外勤務とひとくくりにしても、なかなか一般化が難しいので、できるだけたくさんの情報収集がカギです。
AXIS(アクシス)には海外経験者による情報配信がたくさんあり、実際海外移住した私が読んでもなるほどと思うことが結構あるので、海外で働くことに興味のある方は、一度サイトを見てみて損はないと思います。
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