SE(システムエンジニア)は海外転職すべき理由

  • 2020年8月25日
  • 2022年1月22日
  • CAREER
SE(システムエンジニア)って海外転職できるの?SEが海外で働くときの日本との違いって何?国内と海外どちらがいいの

こんな疑問に答えていきます。

こんにちは!よんりん(Yonrin)です。
当記事を書いている私は、デジタル技術のコンサルタントです。

私自身の海外移住経験から、海外(特にIT関連)で働くことについて、お話しますね。

この記事を読めば、SEが海外転職をすべき理由について、よく分かりますよ。

海外のSEと日本のSEの違い

SEは海外転職すべきですか?と聞かれると、即答でYESと答えます。

何もシリコン・バレーのトップ企業に転職、という話をしているのではなく、IT関連の仕事をしている人、全般に関する話です

もちろん、海外で働くことは日本にはない大変さが山のようにあります
そもそも英語が通じるのかなど、不安もたくさんありますよね。

その辺りは別記事にもまとめてありますので、よろしければ、後でどうぞ。

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なぜ即答で海外転職にYESと言えるのか。

私自身が海外移住して、割と多めの会社(今のところ大小合わせて30社程度でしょうか)の現地SEの人たちとお仕事をする度に正直、

新卒でSEをやっていた時、もっと早く海外で働いていればよかった!

と思ったからです。

この辺りについて、私が実際に海外で目にしたことを元に、考えていることをお話していきたいと思います。

今回は、このような観点です。

 海外SEの地位
 海外SEの人材価値
 海外SEの労働環境

20代、30代の若手ならもちろん、40代の方も、海外に出てみると必ず人生が変わります(ちなみに私は30代で海外移住)。

そしてキャリアにとっての意義のみならず、旅行や出張でほんのひとときを異国の地で過ごすだけでは決して見えないものが見えるはず。

特にSEという職種の特性上、業務の手法や用語は世界共通で、海外の敷居がかなり低い。

意外に思われるかも知れませんが、海外就職に必要な技術力という観点からは、かなり日本人に分があります

なので、一度でも海外で働くことを考えたことのある人は、絶対に実現すべきです。

海外のSEは地位が高いというのは本当か?

これも、ほぼYESですね。
この2点なのですが、特に「人としての地位」に関しては思うことがあります。

 人としての地位
 待遇面から見た地位

人としての地位

実は、ここが私的には一番違いを感じたことです。
SEの地位は海外の方が格段に高い

それは、シリコンバレーの一流エンジニアだけの話ではなく、一般企業のIT部門や、中小のITベンダーのSEたちもしかりです。

私が日本で見てきたSEやIT部門は、良くてユーザ部門の下請け状態

更にそこから外注先になっているような会社のSEたるや、扱いの酷さには目に余るものがあったと今では思います(大きな開発の現場にはたくさんの会社からのスタッフがひしめき合っています)。

海外のSEは、ユーザ部門やユーザ企業から一定の敬意を払われています
自分たちができないことを任せられる人たちとして、頼りにされているのです。

そして、SEもITに関する専門職としてのプライドを持って仕事をしています

一緒に仕事をする最中にも、障害対応をする姿を何度も見ましたが、日本のようにユーザ部門がIT部門や外部ベンダーのSEを怒鳴りつけるなど、ありえません

SEとお客様、という関係の前に、まず人と人の関係

最低限、「人として相手を敬う」というシンプルな、そしてごく当たり前のことが、きちんとなされているのです。

どんなにプロジェクトの遅延があっても、失敗があっても、人の尊厳を踏みにじるような叱責を受けることは、まずない

仮に運悪くそうしたことがあっても、人に敬意を払えないような人は、逆に周りからの信用を失うのです。

もし日本の現場で辛い思いや不快な思いをしたことがあるならば、SEとしての自己肯定感、自信を取り戻せるはずです

待遇面から見た地位

待遇面でみると、米国のSEはやはり、各国に比べると頭ひとつ抜けているように思います。

シンガポールと英国を加えて日本と比較してみると、同じ職種では、

米国>>英国≒日本>シンガポール

のようなイメージです。

glassdoorのサイトで「System Engineer」「Programmer」「IT Manager」などの同じキーワードで日本、米国、英国、シンガポールあたりを比べると、年収の感覚が分かると思います。

米国以外は、正直、待遇面での地位はそんなに変わらない可能性もありますね。

ただ、当面の年収が対して変わらなかったとしても、海外SEは絶対的におすすめです。

待遇面での地位は気にならないくらい、人としての敬意を払い合える環境の方が圧倒的に豊かなSE人生を送れるからです

そして、出世と昇給は格段に海外の方が速いです。
長く今の会社で働きたい人は、わざと昇格を遅らせる人もいるくらいです。

転職直後の年収はあまり気にしなくても大丈夫です。

海外のSEを経験すると人材価値は上がるのか?

これは間違いなく上がります。

私は人事の専門家ではないですが、採用面接は何十人も担当してきました。
主にこの2点で価値が高まると思っています。

 SE経験の厚みの価値
 英語力の価値

SE経験の厚みの価値

 情報のスピード

まず海外の方が圧倒的に情報が早いし、新しい技術の採用も早い。

日本の技術が世界に行くこともありますが、波及が遅いですね。

基本的に日本で成功してから海外に展開、という定石から抜け出せないから。
そしてユーザ企業も、他社事例がないと、なかなか動けません。

結果、海外で出てきた新しい技術は、海外企業が選考して採用します。
なので海外SEは、新しい技術に早期に触れられる可能性が高いです。

もちろん、前例がない技術を使う産みの苦しみはあります。
その分、試行錯誤に苦労しますが、自ら道を切り開く力が身につくはずです。

失敗したとしても、あなたの前を走る人は誰もいないのですから。

 多様性(ダイバーシティ)の経験

そして、多様性(ダイバーシティ)の経験です。

海外のメンバーに交じって、全く異なる文化でプロジェクトを経験することは、かなり勉強になります。

正直、ソースコードの美しさ、のような話をすると、私の感覚では日本はかなり高品質だと思います。

海外で見るソースコードは、あまり美しくはないし、バグも多い。

けれど、最初の一歩を踏み出すフットワークの軽さと、多少の誤りを許容しながらグングンとプロジェクトを進めていくパワーは、海外ならではです。

日本だと会議で十分に議論され、綿密なレビューでほぼ完ぺきにならなければ、マイルストーンを超えられないですよね。

海外だと文化のレベルで意識が違うので、もちろんSEだけでなく、ユーザの意識の面でも、アジャイルを許容する器があります。

良くも悪くもですが、非常に伸び伸びと、思い切って仕事ができると思います。

オープンに議論をして、思い切った決断をたくさんできる環境で、自分を出すことができるはずです。

失敗しても、胃が痛くなるような追い詰められ方をすることは決してありません。
なので、SEとしての成長のスピードが、格段に速いのです。

英語力の価値

英語でのコミュニケーション力が高まることも、価値が高いですよね。

ただ、英語環境に身を置いただけでは英語力は身につきません。
英語を勉強しなければならない環境に自分を追い込めるということです。

技術的なコミュニティへの参加や、英語での情報収集は、日本に比べて相当時間的な早さの面で差がつきます

日本にいても新しいフレームワークやツールを先駆けて試すのには、英語が欠かせないですよね。

そして何より世界のマーケットで転職活動ができるのは、かなり有利です。

海外のSEの労働環境は良いのか?

実は意外かも知れませんが、海外でも残業はあります。

ただ、日本よりもやり方にメリハリがありますね。
日常的な残業をしないだけで、深夜までやったり、土日出勤をすることはあります

まったくない、という環境ではないということ。

それでも、誰かに強要されて、とか、怒鳴られながらバグや障害対応をする、ということはありません。

あくまで自分のプロとしてのプライドにかけて、ここぞということころでお客様に尽くす

もちろんお客様からは、当然のように感謝と労いの言葉があります
たとえプロジェクトの遅延があっても、個人の尊厳は最低限守られるからです。

精神的な面での労働環境は圧倒的に海外が良いです。

もうひとつ、労働内容については、「ジョブ・ディスクリプション」の概念が大きく影響しています。

基本、海外SEは全くと言っていいほど雑用がないですね。
労働内容が明確に定められているからです。

分業の考え方が進んでいるため、直接のお客様向けの仕事以外の管理業務は、管理業務の専任の人が代行します。

自分の業務に専念できるのは、かなり負担が少ないですよね。

まとめ

SEが海外転職すべき理由について、お話しました。
まとめると、以下のようになります。

 海外SEの人としての地位:日本より高い
 海外SEの人としての地位:米国以外は日本とそこまで変わらず
 海外SEの価値:情報スピード、多様性(ダイバーシティ)、英語力が強みに
 海外SEの労働環境:日本より良い。特に精神的な面ではかなり良い。

「海外」といっても、欧米やアジア、先進国と途上国など、色々な面で差があると思います。

今回はの記事は欧米先進国をベースにして書いていますが、この記事の「待遇面から見た地位」の部分以外は、海外全般に関して言えることだと思います。

リモート・ワークが大分普及した今では、リモート面接などに対する抵抗感も減ってきているはずです。

海外転職までのパターンと、より具体的な情報収集の第一歩については、以下の記事にまとめていますので、よろしければそちらもどうぞ。

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是非一度は海外SEを経験して、世界を広げて人生を豊かにしましょう。

最後に、ご参考までに私が転職したときに参考にした書籍です。

このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法

自分自身を資産に見立てて、①技術資産、②人的資産、③業界の生産性、という観点から資産価値を高めるための転職を考える、という内容。

この切り口が非常に有益でした。

海外転職に特化したものではないですが、普遍的な内容でグローバル転職にも役立ちます。

シンプルですが、地に足のついた長期的な視点での自己分析ができます。
読んでおいて損はないので、おすすめです。

※最後にですが、外資系IT企業や、システムエンジニアからITコンサルタントとして海外転職を狙う場合だと、転職エージェントでは以下の3社がそのエリアに特化したメジャーどころです。

転職エージェントなので、彼らからすれば成約させることを目的としての対話にはなりますが、求人状況については鮮度の高い情報収集が可能なはず。

積極的な情報収集で海外転職のチャンスをつかんでくださいね。

以上です。